"98.11.17"Issue
ILMA-MRC,次期主力マシン
新Magnumのボディを完成
研ぎ+8層コーティングで鏡面仕上げに成功

 ILMA島に本拠地を置く地元レーシングチームILMA-MRCが次期主力マシン"ILMA-Calsonic Magnum"のボディを完成させた。塗装はラッカー系で,従来は侵食の問題から難しいとされていたマークの上からのコーティングに成功している。光が強いため写真では分かりにくいが,全面が鏡面仕上げされている。

 今回のラッカーコーティングで侵食を防ぐために行われた工夫は長時間乾燥と,塗装量の段階的調整の2つだ。マークと塗装の間は10日間,それ以降のコーティングには7日間のインターバルを置いている。第一段階の塗装はエアブラシにより,空気量を調整して,部分ごとに速乾させつつ,極薄の塗装を行った。その後の塗装にはグンゼ産業のMr.スーパークリアの缶スプレーが5回使用されている。

 研ぎ行程は今回,敢えて空研ぎ行程が行われ,水は一切使用されなかった。使用されたサンドペーパーはタミヤ製の#2000,そして3Mから発売されている研磨フィルム(#8000)が使用されている。その後2回,スーパークリアでコーティングされ,最終段階としてグラスファイバーの端面磨き用の特殊コンパウンド(0.05ミクロン)による研磨が行われている。

 今回,何かと評判の悪い缶スプレーを使用したことに関してILMA-MRCでは「粒子が重なって平らになることを考えれば多少粗くても問題無かった」としている。むしろ作業が手軽な分,インターバルを置いた塗装には便利との声も。一方「タミヤのクリアー缶はマークへの侵食が早く,大変危険だ」という。

 今回の塗装技術が現在作業中のFord Escortに導入されるかどうかは微妙な状況。すでにEscortは水溶性アクリルによるコーティングが施されており,どのような侵食が起こるかは全く分からない状態だ。しかし,すでに十分乾燥された塗膜のため,「可能であれば挑戦したい」(ILMA-MRC)と研究は引き継がれる模様だ。ほかの車両への導入はほぼ決まっており,今後は作業の効率化などが研究課題となる見通し。

 なお,新Magnumのシャーシはパーツが一揃え集まった段階。具体的なレース出走計画がまとまった段階でパーツ組みを煮詰めて行く方針だ。