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プロジェクトX台所の巻――ちと長い投稿です 松浦 さん 2000年05月05日(金) 22時50分
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 みんなウルウルしているNHKのプロジェクトX。たまたま「ダイニングキッチンの登場」の回を観て、「これはつっこみが足らない」と思ったのでスレッドを立てます。そういえばこの回は書き込みがないですね。やはり台所だと興味は薄れるのでしょうか(見てない人はNHKのHPを参照のこと――ここを押して)。

 DK開発の話はいいのです。問題は「狭いながらも楽しい我が家」を目指した住宅都市整備公団がとんでもない害毒を結果として住宅建築の世界に流してしまったことがすっぽり抜け落ちているということです。

 それは通称「団地間」という、従来より一回り小さな畳です。数字にこだわる日本人向けに「狭くても六畳間」を実現するために畳そのものを小さくして、しかも大量に生産してしまったのです。

 畳の大きさは地方により異なり「西が大きく東が小さい」という傾向があります。一番大きいのが京間、その他大津間、中京間、江戸間(田舎間)などがあります。畳の大きさについてはここを押してここを押してを参考にして下さい。

 一番大きい京間は191cm×95.5cm。ところが住宅都市整備公団が作り出した団地間は169.6cm×84.8cm、長辺で20cm以上短く、面積比は1.26。住宅都市整備公団は、これを「はい、六畳間でござい」と売り出す詐術を行ったのです。そしてまた、上京してきた金の卵達はそれを疑いもせずに、団地に入居したのです。「なんか東京の六畳は狭いなあ」などと思いつつ。

 このミニサイズは民間開発のマンションにまで一気に波及します。一時は完成前のマンションを買ったら「6畳にしますか、7畳にしますか」などと相談されたなどという笑えない話もありました。

 もう一つ、「台所が北側で寒い」というのがいかにも悪のように番組中で触れられていましたが、冷蔵庫のない時代に台所が北側というのは食べ物が腐りにくいと言う実質的な利点がありました。「日の当たる明るい台所」は冷蔵庫の普及と表裏で考えないといけないのです。

 昭和30年代に上京してきた東京の労働者を、住ませる場所が団地でした。最小限の面積に「ジジババなし」の家族4人を押し込める合理設計がDKだった――という悲しい視点がすっぽり抜け落ちているのです。核家族向け「Uボート」だったといえば、わかりやすいかな。お父さんは「海の狼」ではなくて「企業戦士」だったわけで。

 あれから30年、めっきり高齢化が進んだ当時の最新鋭団地では、定年を迎えて塗れ落ち葉と化したかつての金の卵達が、昼間から広場でカップ酒を飲んでたむろしている風景が目に付きます。上京して、会社のために必死で働いて、団地に入居して、定年になったら「会社抜きだとからっぼ」の自分を持て余して、やることがなくて思いつかなくて、狭い六畳間には居場所すらない――かつての夢のマイホームであった団地は、現在そんな老人を大量に生み出しているのです。

 私ごときにここまで書かれるとは、つっこみが足りないぞNHK。

 もっとも「プロジェクトX」自体はホームページで視聴者の疑問に答えていたりして、なかなか意欲的にやっていますね(ここを押して)。

 さあ、次回 5/9は新幹線だ。NHKがどこまでつっこんだ話を展開してくれるか、この会議室の面々ならいくらでもスレッドが延びる題材ですね。NHKのお手並み拝見と行きましょう。

ワタクシ的な採点基準は以下の通り
1)新幹線の前に満州鉄道を中心にした「弾丸列車」計画があったことを言うか。

2)真の意味で新幹線をシステムとして完成させた2人の立役者
、十河信二総裁と島秀雄技師長の名前がきちんと出るか。十河が満鉄において石原完爾(ここらへんが今のNHKだとあぶない)の薫陶を受けた良い意味での理想主義者であったことに言及するか。

3)当時、国鉄は新幹線に全予算をつっこんで、ローカル線の延伸がストップした。このため利益誘導で当選した陣笠代議士共が「十河の首を取れ」と騒いだことに触れるか。

4)それでも政治の介入は防ぎきれず当時自民党副総裁だった大野伴睦が地元に駅を要求して岐阜羽島駅が作られたことに言及するか(駅前に大野夫妻の銅像が建っている。夫妻だよ、夫妻!!)。

5)あげく、完成1年前に十河信二は予算超過の責任を取るという名目で辞職を強要され、島もまた、十河に殉じて辞職したことに言及するか。

6)しかも十河も島も1964年10月の新幹線開通式典に呼ばれなかった。その国鉄の官僚的な体質に言及するか。

 ちなみに十河は同年11月に勲一等の叙勲を受けています。『ま、十河君これでがまんしてね』というかなり政治の匂いがする叙勲に思えるのですが、裏を取っていないので断定はしません。
 傍証としては、十河の後を継いだ石田禮助は勲一等を辞退したために、その後国鉄総裁経験者で勲一等を貰ったのは平成11年の杉浦喬也まで出なかったということがあげられます。官僚の思考をシミュレートすると、十河で前例になったけれど石田が辞退したから国鉄総裁への叙勲の処し方が分からなくなった。大分時間がたったのでそっと復活させた――というところじゃないかと思います。

 ちなみに十河信二についてはここを押して

 石田禮助についてはここを押して
 それぞれ参照してください。


 もはや伝説でありますが…
 島は新幹線開通の当日品川の自宅にいた。その窓から走る最初の列車が見えた。後に島は「こんちくしょうめとは思いました」と語っている。
 島の言葉「新幹線は事故を起こしません。そのように作りましたから」

ソウイウヒトニワタシモナリタイ松浦

  • おかちん さん 投稿日:2000年05月06日(土) 14時57分
    [Mozilla/4.0 (compatible; MSIE 5.0; Windows 98; DigExt)]  
    うお,しまった,出遅れです。まだ全部観切ってないのです。
    世間は連休なのにテレビ観る暇すら無し。寝たい。
    >団地間
     はい,小さくて驚きますね。169cmしかないのですか。かつて,ミニ四駆コース用の拡張直線レールを採寸する際,「畳は長辺180cm」って頭で物差し替わりに使用。裁断が全部終わってから涙した苦い経験があります。

    >新幹線
     「プロジェクトX風」にまとめるなら,ここは絶対,島氏が主人公でないとイカンと思います。などと期待を込めまくると見てがっかりするかもしれないので,ぐっとこらえつつ(^^; 45分にまとめる,というのが辛いところですよね。人気が安定してくれば前後編,なんてな回が合ってもいいかと思うのですが。

    #「富士山頂」,読了です。入札のドロドロしたところが面白かったです。企業名が伏せてあるのがちょいと読みづらいのですが,プロジェクトXを観た後だったので,助かりました。

  • あいば さん 投稿日:2000年05月09日(火) 12時53分
    [Mozilla/4.6 [ja] (Win95; I)]  
    >ワタクシ的な採点基準
    ゲージ(軌間)問題にもどう触れるかたのしみたのしみ。

  • おかちん さん 投稿日:2000年05月09日(火) 18時46分
    [Mozilla/4.0 (compatible; MSIE 5.0; Windows 98; DigExt)]  
    全然帰れない。うう,たまには生で観たいです(TT)

  • あいば さん 投稿日:2000年05月09日(火) 20時11分
    [Mozilla/4.6 [ja] (Win95; I)]  
    >たまには生で…

    そーだそーだ、生で観たいぞ〜! 早く帰らせろ〜!
    と、口に出しては言えない気弱な職場のワタシ…。

    >テレビ観る暇すら無し

    そういえば、CVCCの回を先日やっと観ることができたのですが、
    「ど〜もこの人見たこと有るよなぁ…。」
    (貧弱な記憶力をフル再生することしばし…)
    「そうだ、ゆめ牧場に来たんだ、この人!」
    2〜3年前、取り巻き(販売店まわりの途中に寄ったらしい)の人に
    「汚れますよ」と言われても、油汚れも気にせず
    いつまでもポッター号(蒸気機関車)のエンジン部覗き込んでて、
    「へんなひとだなぁ(誉め言葉)」と思った記憶が甦ってきました。
    もう相談役でしたが、久米是志さんその人だったのでした。
    そうと知ってりゃもっといろいろ聞くんだったな。

  • おかちん さん 投稿日:2000年05月09日(火) 20時18分
    [Mozilla/4.0 (compatible; MSIE 5.0; Windows 98; DigExt)]  
    うひゃあ,そんなすごい方が見えられていたんですか。
    どこで情報を入手されたんでしょうね。HP設立前なのに。
    そうそう,6号機完成,おめでとうございます。
    OFF会でお邪魔したときにはボイラーと台車がバラバラだった
    のに,すごいペースですね。驚きました。

  • 三十郎 さん HomePage 投稿日:2000年05月09日(火) 20時48分
    [Mozilla/4.0 (compatible; MSIE 5.01; Windows NT 5.0)]  
    >へんなひとだなぁ(誉め言葉)
    これが私的には一番ツボにはまりましたね。根っからの技術屋さんなんだなぁ。良い話だ。
    あ、6号機完成おめでとうございます。あのときのあのバラバラ車両がサイト表紙の勇姿になるとは。

  • おかちん さん 投稿日:2000年05月09日(火) 21時53分
    [Mozilla/4.0 (compatible; MSIE 5.0; Windows 98; DigExt)]  
    ああ,いまごろ放映しているんだろうなあ(ToT)
    スレッドの脱線ついでですが,まきば線の絵はがき,
    購入可能でしょうか? ぜひ買いたいです(^^)

  • 松浦 さん 投稿日:2000年05月09日(火) 22時38分
    [Mozilla/4.7 [ja] (Macintosh; I; PPC)]  
     ナマで観た、ただ今失業中のワタシ

    感想
    1)クボジュンは番組の邪魔である
    2)我々が観たいのは当時の記録フィルムでありじーさんの同窓会ではない
    3)やはりNHK、「島」は一言もでず「十河信二」は1回だけだった
    4)もちろんあいばさんご希望の軌道間の話もなし
    5)「銀河」が戦闘機として紹介されていた
    6)「零戦」と称して九七式艦攻、九九式艦爆の映像が出ていた
    7)特攻機と称して「桜花」を紹介したのはいいが、実際は「彗星」の特攻の映像だった
    8)アイ〜ン!!(心の叫び)

     小学館から「島秀雄物語――新幹線を作った男」という本が新刊で出ているそうです。本日本屋を捜したけれども売り切れでした。こっちにはもっと濃い話が掲載されている模様。

     11日の人間模様「人力ヘリコプターに挑んだ男」のほうが面白そうです。

     久米さんかあ、空冷水冷で本田親父とケンカして出社拒否した人でしたよね。「本物」はいつも現場にいるんだなあ。

     本田中興期のあれこれはここを押してを観て下さい。

    なぜか今更浮谷東二郎の本を読みあさっている松浦

  • おかちん さん 投稿日:2000年05月09日(火) 22時49分
    [Mozilla/4.0 (compatible; MSIE 5.0; Windows 98; DigExt)]  
    アイ〜ンですか(^^; こりゃ心して観ないといけませんな。
    ご在宅でしたら,0時15分からの「世紀を越えて」の再放送を
    是非。反響大きかったのか,早くもお声掛かりのようです。
    あう,それすら間に合うか...。

  • 黒土龍 さん HomePage 投稿日:2000年05月10日(水) 02時23分
    [Mozilla/4.7 [ja] (Macintosh; I; PPC)]  
     ひとの見方はそれぞれですが、「プロジェクトX」という番組はプロジェクトの政治的な背景を云々いう番組ではなく、その現場に携わった天才でもなければ有名でもない技術者や作業者達の視点で構成されているという制作意図が見られます。
     それ故視野が狭いという評価が下されるのもいたしかたないかも知れません。
    ですがあまり広い視野を持った技術者というのは実際そういるものではないですし、現場に近ければ近い程「エライ人」との距離があるというのは当たり前で、彼らの立場では国鉄総裁が出る幕としてはあんなものなんじゃないでしょうか。

     番組で足りない部分はこちらで色んな知恵者の方々があれこれ語ってくれるので、あまり多くの事を知らない(単に知ろうという努力怠っている?)私としては大変勉強になります。


  • おかちん さん 投稿日:2000年05月10日(水) 11時50分
    [Mozilla/4.0 (compatible; MSIE 5.0; Windows 98; DigExt)]  
    深夜帰宅でダウン。まだ観られてません。
    数日中に参戦いたします。ぐわー(TT)

  • あいば さん 投稿日:2000年05月10日(水) 13時03分
    [Mozilla/4.6 [ja] (Win95; I)]  
    >本田中興期のあれこれ

    いよいよ当事者たちが自らを話しはじめる時代になったんですね。
    まだちょっとしか読んでませんが、楽しみなページの一つになりました。

    >ひとの見方はそれぞれ

    おっしゃる通りで、いかにフツーの日本人が事を成してきたか、
    と言う点での描き方をしていますが、
    「その話をするならなぜこの話をしないんだぁ〜」
    という思いがふつふつと出てきたりして。

    また、なんだかいかにも
    「そ〜ら、いい話だろ〜、さぁ泣け〜」
    と言わんばかりの演出も鼻につく回が有ったりして。

    …それでもテレビの前でぽろぽろいってしまうわたしですが。

    あ、昼休み終わってら。

  • あいば さん 投稿日:2000年05月10日(水) 19時34分
    [Mozilla/4.6 [ja] (Win95; I)]  
    >小学館から「島秀雄物語…

    講談社文庫から『亜細亜新幹線』(前間孝則)なんてのもあります。
    この前間孝則っていう人、技術者からノンフィクション作家になった方のようで、
    ツボ押さえてます。

    >クボジュンは番組の邪魔である

    ちょっとキャラと内容に違和感あるなという気はしてました、わたしも。
    この番組にはああいう「お元気娘」的な人より
    知性的美女っぽい人だった方がいいのでは?(眼鏡美女ならなお良し)<公私混同?

  • おかちん さん 投稿日:2000年05月11日(木) 11時56分
    [Mozilla/4.0 (compatible; MSIE 5.0; Windows 98; DigExt)]  
    うお,仕事がピークで全然みられず。早く見たい〜。

    >プロジェクトXの制作意図
     新幹線の回を見てないので,あまり議論に加われませんが,
     CVCCの回を見たときに黒土龍さんのと同じことを感じました。
     VHSや胃カメラの回のようにまとまるのが理想なんでしょうが,
     必ずしもそうは行かないようですね。

    >クボジュン
     ほっぺが赤いのが気になります。

  • 黒土龍 さん 投稿日:2000年05月11日(木) 15時20分
    [Mozilla/4.7 [ja] (Win95; I)]  
    >VHSや胃カメラ
     後者はさておき、VHSでは技術者ではなく事業者が主役でしたね。
    多分それは、決して現場の近くにはいた人ではなかったようですが、常に斜陽の事業部に身を置く従業員の身を案じ、心は常に現場と共にあったのではないでしょうか。
    それに以前にも述べましたが自社利益よりまず規格普及が先決と、他企業への無償技術供与するなどの画期的な発想は優秀な技術者に勝るとも劣らない「戦略技術者」とでも称すべき人だと思います。

    >「そ〜ら、いい話だろ〜、さぁ泣け〜」
     例えそれが鼻につこうが、昔から涙腺ゆるいので私は素直に泣いちゃいます。

    >クボジュン
     伝えたい話自体がまともであれば、オマケの司会者連中はどうでもいいので気にしてません。
    でもせっかく出演してくれた関係者の方々から、本編以外のエピソードなんかを上手く引き出してくれるような話術に長けた方を使って欲しいものです。
    (あくまで一般論、別にクボジュンをどうこういうつもりはありません)
     ほっぺが赤いのはきっとスタジオが暑いからですよ(^^;

     ふと思ったのですが、取り上げるネタにも左右されるのでしょうが、スタッフロール良く見てない(見えてない?)のですが、おそらく各回取材担当のスタッフは違うと思います。
    その担当が取材する事柄について事前にどれだけ知っているかによっても底の深さや奥行きの広さは違って来てしまうかも知れませんね。


  • おかちん さん 投稿日:2000年05月11日(木) 16時24分
    [Mozilla/4.0 (compatible; MSIE 5.0; Windows 98; DigExt)]  
    >涙腺
     私も緩いです。
     ドラえもんの映画でも緩んじゃうほどです(TT)
     放送予定(ここを押して)を読んでるだけでもう(TT)
     三原山の回,楽しみですじゃ。

  • 黒土龍 さん 投稿日:2000年05月11日(木) 18時18分
    [Mozilla/4.7 [ja] (Win95; I)]  
    >三原山
     今までの「技術」に主眼を置いた物とは一線を画す内容ですね。
    「プロジェクトならなんでもええんかい!」とツッコミたくなるような無節操ぶり。
    もちろんいい意味で。


  • おきかずひこ さん HomePage 投稿日:2000年05月12日(金) 02時14分
    [Mozilla/4.0 (compatible; MSIE 4.01; Windows 95)]  
    うーん、新幹線の回は松浦さんの心配が当たってしまいましたね。
    といっても、弾丸列車については昔「歴史への招待」だったかでやったような気がしますし、島さんについては数年前にニュースステーションでとりあげましたから、かぶらないようにしたのかも。
    それにしても、三木さんが新幹線に関わっていたなんて・・・鉄道には無知なので驚きました。空技廠の技術者が多かったんですかね。ガスタービンの研究をやっていたのもここだったような。
    飛行機の映像が変なのは、とても気になりました(^_^)なぜ九九艦爆・・・

  • 松浦 さん 投稿日:2000年05月12日(金) 13時45分
    [Mozilla/4.7 [ja] (Macintosh; I; PPC)]  
     「島秀雄物語――新幹線を作った男」(高橋団吉著・小学館ラピタブックス1800円)を読了。相当の取材をしたろうに、ばっさりと枝葉を切って島秀雄に焦点を当てた好著でした。「プロジェクトX」を観た人、観損ねた人、必読。

     特筆すべきは島の遺品から出てきた新幹線計画の見取り図と当時の国鉄組織図(技師長は総裁直属!)を収録したこと。その資料から、新幹線は後藤新平を仰いだ復興院時代から、満州鉄道、そして国鉄総裁と、弾丸列車実現に燃えた「食えないじじい」十河信二と、親子二代の鉄道エンジニアとしてエリート教育を受け、その才能を十全に開花させた「二十世紀が培養した天才」島秀雄なくしては、実現しなかったことが簡潔にまとめられています。技術的にもたった5年で東京大阪3時間を実現できた背景がよく分かります。

     その二人にして最後の予算不足は埋めるべくもなく共に辞任、「新幹線は利権になる」といち早く見抜いた時の大蔵大臣田中角栄が金をつけて、初めて新幹線が完成したのでした。これが後の上越新幹線につながっていくのです。
     東海道新幹線の成功により、政治家連中は新幹線が利権となることに遅まきながら気が付きます。で、「そーりゃ、利権じゃ利権じゃ」と延伸して作った最初の新幹線である山陽新幹線は今になってコンクリが落ちたりして事故多発。東海道以降の新幹線を考えるに当たっては角栄への評価は必須でしょう。

     そして新幹線そのものの罪についても。特に三島付近の富士山系水脈をぶちぶち切った結果、水郷三島の風景を無惨なまでに変えてしまったことは忘れてはいけない。

     いまだに青森とか宮崎などは「シンカンセーンッ」と騒いでいるわけで、時代は変わったのに気が付いていない。今なら新幹線で陳情を繰り返す前に、NTT東西をけ飛ばしてインターネットのブロードバンド接続のラストワンマイルをなんとかするのが先ですよね。

     なにはともあれ、新幹線に乗る時は東京駅19番線ホームの先頭へゴー。そして記念写真だ!

     付記すると十河追い落としを画策し、後に国鉄総裁になる磯崎叡ですが、私は当時の運輸省担当記者から「あんな地位の人がなんであれほどまでに汚いことをやるのか、と思った」という話を聞いています。
     つまり利益誘導で当選してきた運輸族が地元のどう考えても赤字にしかならないローカル線延伸を要求してくる。十河はそのすべてをはねつけて受け入れませんでしたが磯崎は受け入れ、実現のための金を大蔵省に無心して、結局鉄建公団を作ってしまうわけです。鉄建公団が作るローカル線はすべて赤字なわけで、そのツケはといえば最終的に分割JRと国民がかぶることになったわけですね。運輸族議員は一切責任をとらない。もちろん磯崎も。
     そして鉄建公団は当然のごとく天下りの巣になったわけでして。
     ただし磯崎を産経新聞はこのように評価していることを付記しておきます。ここを押して

     高知の四万十川河口の中村市にいくと、その先、土佐清水まで線路を延ばす計画で作った高架線がレールも引かれないまま放置されています。「税金ってこういうふうに使われたのね」と納得してしまう風景です。

    「プロジェクトX」は、新幹線のような政治もからむ巨大プロジェクトを45分で収めようというのが失敗の原因だったと思います。おそらく次回の「靴」はうまく感動的に収まるのではないでしょうか。その程度の規模だから。

     5/30放映予定の三原山噴火の時、私はもう就職していました。一番感嘆したのは、番組で扱う避難ではなくて、「噴火は収まる」として島民の全員帰宅を許可した当時の鈴木都知事の決断でした。当時まだ噴火が続くかどうか不明だったわけで、そこで「噴火は収まる」と鈴木は判断したわけです。結果、噴火は終息し、島民は早期帰宅が可能になりました。鈴木は内務省出身で、私は「鍛えられた内務官僚の決断力とはかくもすさまじいものか」と感じたものです。
     でも、彼のその後(湾岸新都心開発とか)を観ると、判断が狂って再噴火による死者が出たとしても、鈴木は責任を取らなかったのではないかとも考える昨今です。責任を取るというのは難しいことです(青島?ノック??論外だよね)。

    「私は政治に興味があるわけではなくて人と技術の界面に興味があるのです」の松浦

  • おかちん さん HomePage 投稿日:2000年05月12日(金) 22時08分
    [Mozilla/4.0 (compatible; MSIE 5.0; Windows 95; DigExt)]  
     はあ,ようやく新幹線の回が見られそうです。昨日の夜は
    意を決して半分でも見てやろう,と思ったら,サハラ戦車隊
    のリメイク版とかやってるし。いや,意志が弱い自分が悪い
    のですが。
    >島秀雄物語
     早速買います。私が思うにプロジェクトXはきっかけで
    いいんでしょう。まるでパソコン入門誌的な位置づけですが,
    むしろそういう番組があることのほうが大切なのではないか
    という気もします。そこから興味をもって,本を手に取る。
    さらにこの会議室でしゃべる,と(^^;
    >靴の回
     長野オリンピックのスケートリンクの話なんかもやって
    もらいたいですね。きっと映像いっぱいあるだろうし。

  • 亀どん さん 投稿日:2000年05月16日(火) 22時33分
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    いいかげん長いスレッドなので書きにくいんですけど、ちょっと補足&情報追加。

    > 高知の四万十川河口の中村市にいくと、その先、土佐清水まで線路を延ばす計画で作った高架線がレールも引かれないまま放置されています。

    もう十数年前、当時は終点だった中村駅の先で、松浦さんの書かれたコンクリートの高架橋、そしてその先の四万十川に橋桁「だけ」が対岸まで連なっている光景を見て、とてもせつない気持ちになった事があります。正確には土佐清水じゃなくて宿毛まで延長する計画でした。

    で、補足というのは・・・実はあの路盤、あのまま朽ちゆく運命だったものが、第三セクター土佐くろしお鉄道が引き継いでまして、今では岡山から宿毛まで直通特急が走っています。
    あの当時、そのまま朽ちゆく運命と思われてた建設途上の路線は他にも北越北線とか、智頭鉄道とか、結構ありましたけど、自分が思っていたのよりずっと多くが、鉄路として現在活用されている、ってのは予想外の現実、でした。

    今の整備新幹線にしても、確かに政争の具と化した今の状況では、素直に推進しづらい面はあるんですけど、ど田舎に巨額の費用をかけて空港(たとえば佐賀空港)や高速道路(いわゆる肋骨高速道)をつくるのと、北海道新幹線を作るのとじゃぁ、北海道新幹線(札幌まで一気に開通させなきゃ意味なし!)を作る方がバランスとれると思うんだけどなぁ。
    地元民だけど、長崎新幹線なんて日本全体のバランス考えたらいらないでしょ。しかもいま予算がついてるのは武雄温泉〜長崎間だけ。博多と結ばなきゃ意味ないじゃないねぇ。

    と、長くなっちゃいましたが最後に新幹線がらみで個人的に一押しの書籍を紹介します。文芸春秋社「超高速に挑む」碇義朗著(ここを押して)です。
    ちょっと昔の本なんですけど、東海道新幹線関係で自分が読んだ本のなかでは、これが一番おすすめ。あと、普通の書籍流通ルートに乗ってない本なんですけど、鉄道ジャーナル社「驀進」齋藤雅男著(版元直接、もしくは書泉グランデや秋葉原ブックタワーなどで買えます)が、新幹線支社長という立場で開業直後の山のようなトラブルを解決してゆくさまが書かれてて、こちらもおすすめ。

    そうそう、ご紹介の「島秀雄物語」は早速BookWebで注文しました。はやく来ないかなー。

  • おかちん さん HomePage 投稿日:2000年05月17日(水) 03時18分
    [Mozilla/4.0 (compatible; MSIE 5.0; Windows 95; DigExt)]  
    わっはっは。もうプロジェクトXは長文御免ってことでガンガン
    いきましょう(^^;
    >土佐くろしお鉄道
     へええ,そんな展開もあるんですね。北越北線や智頭鉄道と
    いうのも第三セクターなんでしょうか。第三セクターの電車って
    単車輌だったり,バスみたいな形してたりとか,面白い形の
    電車が結構あって,メカ野郎的には嬉しかったりします。
    >超高速に挑む
     おお,これであいばさんご紹介の本と合わせて3冊ですね。
    読む本がちょうど切れてるから,まとめて注文しちゃえい。

    ※あ,靴の回のスレッドは別に立ててやって下さい(^^;